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技術コラムColumn
2024/01/11
鍛造方法の中で、代表的な熱間鍛造と冷間鍛造の違い、それぞれのメリット・デメリット、よくあるトラブルなどについて解説します。
熱間鍛造と冷間鍛造はそれぞれ、鍛造方法の種類の名前です。異なる点として、鍛造時の金属材料の温度が挙げられます。
熱間鍛造では、鍛造時に金属を熱して行います。1200度近くに金属を熱し、柔らかくしてから鍛造を行います。
一方で冷間鍛造は、鍛造時に金属に熱を加えません。常温の状態である金属に、鍛造加工を行います。
鍛造時の金属の温度が大きく異なるため、それぞれの方法でメリット・デメリットが存在します。
熱間鍛造のメリットとデメリットは以下になります。
熱間鍛造では、金属を熱して鍛造を行うため、大型部品の加工に適しています。また複雑形状などにも対応可能であることがメリットと言えます。
熱間鍛造では、鍛造前に熱した金属が鍛造後に冷えて収縮することから寸法や形状精度が出しにくいとされています。
冷間鍛造のメリットとデメリットは以下になります。
冷間鍛造では、鍛造後の表面仕上がりが綺麗に仕上がります。金属を熱していないため、寸法精度なども出しやすい点がメリットとなっています。
冷間鍛造では、常温の金属を鍛造するため複雑形状や大型部品の加工には不向きとされています。
熱間鍛造でよくあるトラブルとして、以下が挙げられます。
鍛造前に材料を加熱する熱間鍛造では、金属を加熱しすぎた際に発生するオーバーヒートの恐れがあります。金属を加熱しすぎると、材料が溶けてしまうことで材料を廃棄しなくてはならなくなります。
鍛造後の表面が荒れる、いわゆる肌荒れが発生することがあります。高温で熱した金属が酸素に触れることでスケールが発生し、その状態で鍛造を行うと肌荒れにつながります。
鍛造時に金属を加熱して行うため、鍛造後に金属が冷えた際に収縮することで、寸法精度が出ない場合があります。
当社では、長年の経験から培ってきた技術で、以下の対策をしたうえで、熱間鍛造を行っています。
熱間鍛造時に金属を加熱する工程で、温度管理を行っています。適切な温度管理を行うことで材料が溶けることを防止し、最適な条件での鍛造を可能にしています。
ディスケーラー工程を導入することで、金属表面の膜をはがしています。この工程を行うことで酸化することを抑制しています。またプレス内でもエアーブローを実施し、はがし切れなかった膜を除去する工程も行っています。
熱間鍛造での長年のノウハウから、クランクシャフトの軸曲がり精度や、厚さ・薄さなどを実現するため、様々な技術を活かしています。
ここでは熱間鍛造の事例をご紹介します。
こちらの製品は、製作するには比較的容易な形状である一方で、ウェイトが厚く、上手く分散できないと径を太くしなければいけない形状でした。形状のバランスが悪く、鍛造時に多くのバリが出て歩留まりが悪いことも改善点として挙げられていました。
そのため、当社にてシミュレーションを行った結果、金型設計から見直す必要がありましたので、当社からお客様へ金型設計の改善提案をさせていただきました。当社からお客様へ歩留まりの提案により、結果としてお客様にもご納得いただけたため、制作をさせていただきました。
こちらの製品は、2Rクランクシャフトです。左右のバランスは悪く、肉流れが悪い点が問題点でした。 こういった製品は、シミュレーションや金型設計が重要になります。
そのため、シミュレーション実施することから進める必要がある事を説明させて頂き、お客様にもご納得いただきました。シミュレーションを進め検討を重ねた結果、適切な金型設計に改善が必要となる事がわかりました。当社にて改善提案を行い製作を進めさせて頂きました。
軸物・シャフト 熱間鍛造技術センター.comを運営するKAKUTAテックフォージングは、昭和20年の創業以来、機械器具部品や農機具、自動車・オートバイ部品の熱間鍛造プレス品を製作してまいりました。業界問わず、地域・環境特性に応じた熱間鍛造プレス技術によって、数多くのメーカーと直需対応を行っており、鍛造業界から注目を集め続けています。
当社では、クランクシャフトやレールなどの熱間鍛造に関して、製品図面をもとにした金型設計段階から一貫対応しております。熱間鍛造において技術力の差が生じるのが金型ですが、当社では自動車・二輪車メーカーの方々と共通言語で会話することができる技術ノウハウで、CADや各種シミュレーションツールを用いた熱間鍛造金型の設計を行います。また金型製作についても、全工程を社内で完結させているため、お客様の生産ラインを止めない金型製作体制を構築しております。
>>金型設計・鍛造シミュレーションによる精度・生産性へのこだわり
特に他社と差別化された要素として、当社では5000トンの大型熱間鍛造プレスを含む一貫自動生産ラインを保有しており、通常は6日かかる工程をおよそ60分で完成させる圧倒的な納期対応力で、多くのお客様に向けて熱間鍛造品の生産を行っています。特に量産が必要な熱間鍛造プレス品については、熱間鍛造プレスの設備力や技術力が結集した自慢の量産ラインで生産いたします。
詳細は下記動画をご覧ください!
そして当社では、自動車メーカーのパートナーとして選ばれる品質保証を維持し、向上し続けるため、最新の非接触三次元測定機も導入し、社内でも甘えを許さない世界トップレベルの厳しい品質保証体制を構築しています。さらに、ただ高品質な熱間鍛造品を製作するだけでなく、省エネによりエネルギーやCO2排出量の削減に取り組み、離型剤や廃液を再利用することで、環境に配慮して社会貢献するための取り組みも行っています。これからも当社は、地球に優しい熱間鍛造の技術開発や生産体制の構築を目指してまいります。
KAKUTAテックフォージングでは、熱間鍛造プレスによる複合部品の一体化や、ステンレスのような難加工材への熱間鍛造プレスなど、常に国内の熱間鍛造プレス技術をリードしてきました。この技術開発力こそが、当社の技術力の源泉であり、
国内大手メーカーの皆さまから選ばれ続けている理由の1つです。
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