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技術コラムColumn
2024/03/19
熱間鍛造での温度管理とは鍛造前の温度上昇、及び鍛造後の冷却を管理することです。温度上昇や冷却を管理できていないと鍛造後の金属硬度に影響が出たり、欠肉が発生するなどのトラブルにもつながるため温度管理は熱間鍛造において重要な要素となります。
このコラムでは、熱間鍛造で温度管理を行う重要性、よくあるトラブルや対処法を解説します。
熱間鍛造における温度管理とは、鍛造する金属そのものの温度を管理することです。鍛造前には温度を上げる必要があり、その後の工程でも温度が下がりすぎないように管理をしたり、冷却の際も冷却速度をコントロールする必要があります。
熱間鍛造では、鍛造前に温度を上昇させることと、鍛造後に冷却する点において温度管理が重要です。
温度を上昇させる際は、1200~1250℃まで温度を上げます。ここで温度を上げておかないと後の工程で温度が下がりすぎ、金属の硬度などに影響が出てしまいます。
冷却して温度を下げる際も注意が必要です。鍛造後の冷却時は冷却速度が重要となります。冷却速度が速いと金属が硬くなり、遅いと柔らかくなる性質があります。この性質のため冷却速度は0.2~1.0℃/秒でコントロールする必要があります。通常の鋼材ですと600℃近辺が降伏点とされており、ここを過ぎると組織が安定し、硬度が決まります。
以上のことから、鍛造前の温度上昇と、鍛造後の冷却時の温度管理が重要とされています。
熱間鍛造の温度管理に関わるトラブルとして、以下の2点があります。
オーバーヒートとは、鍛造前に金属の温度を上げすぎた結果、温度の上限を超えてしまうことを指しています。このオーバーヒートが発生すると金属材料をスクラップにしなくてはならず、コストや納期に大きな影響が出てしまいます。
鍛造前の温度管理の段階で金属温度が低温度となっている場合もトラブルに繋がります。鍛造前の設定温度が低くなっていると、鍛造後に欠肉が発生したり、金型が割れてしまう場合があります。
熱間鍛造を行う際の当社が実践するポイントをご紹介します。
鍛造前の加熱時には徹底した温度管理を行っています。新たな材料へのトライの際なども温度管理を行ったうえで鍛造を行っています。
鍛造後の冷却時の温度についても管理を行っています。冷却開始温度と終了温度の管理や冷却速度など、金属の硬度に関わる点にもなるため徹底した管理を行っています。通常生産時には実績やノウハウに基づいて計算を行っておりますが材料開発時は時間を計測して対応しています。当社では冷却工程を自動生産ラインに組み込んでおり最適化された環境で温度管理を行っています。
こちらのクランクシャフトは、重量が重く20kgある製品だったため、成形可能なメーカが見つからず、お客様が対応可能な会社を探していた中で当社にご相談いただきました。
一般的な国内の熱間鍛造メーカでは3000トン対応出来る設備は持っていますが、こちらの製品にはそれ以上の設備が必要となりました。
当社では5000トンプレスを保有しているため、材料切断~製品箱入れまで60分で完結する一貫生産ラインを提案致しました。
歩留まりをいかに改善できるか、という点においては当社の生産ラインが活躍した事例となります。
こちらの製品は、バリが出ており歩留まりの改善が必要な状態でした。生産数も改善の要望があったため、工程全体で見直しを必要としている状態でした。
そのため、密閉鍛造を提案し、工程全体を見直すことでバリが出ず、歩留まり向上を実現することができました。自動鍛造機で加工しているため、1時間に500個打てる高速鍛造が可能な生産ラインを構築いたしました。自動車用のハブとしては大きいものですが、それらを自動生産できているのが本製品の最大の特徴となっております。
軸物・シャフト 熱間鍛造技術センター.comを運営するKAKUTAテックフォージングは、昭和20年の創業以来、機械器具部品や農機具、自動車・オートバイ部品の熱間鍛造プレス品を製作してまいりました。業界問わず、地域・環境特性に応じた熱間鍛造プレス技術によって、数多くのメーカーと直需対応を行っており、鍛造業界から注目を集め続けています。
当社では、クランクシャフトやレールなどの熱間鍛造に関して、製品図面をもとにした金型設計段階から一貫対応しております。熱間鍛造において技術力の差が生じるのが金型ですが、当社では自動車・二輪車メーカーの方々と共通言語で会話することができる技術ノウハウで、CADや各種シミュレーションツールを用いた熱間鍛造金型の設計を行います。また金型製作についても、全工程を社内で完結させているため、お客様の生産ラインを止めない金型製作体制を構築しております。
>>金型設計・鍛造シミュレーションによる精度・生産性へのこだわり
特に他社と差別化された要素として、当社では5000トンの大型熱間鍛造プレスを含む一貫自動生産ラインを保有しており、通常は6日かかる工程をおよそ60分で完成させる圧倒的な納期対応力で、多くのお客様に向けて熱間鍛造品の生産を行っています。特に量産が必要な熱間鍛造プレス品については、熱間鍛造プレスの設備力や技術力が結集した自慢の量産ラインで生産いたします。
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そして当社では、自動車メーカーのパートナーとして選ばれる品質保証を維持し、向上し続けるため、最新の非接触三次元測定機も導入し、社内でも甘えを許さない世界トップレベルの厳しい品質保証体制を構築しています。さらに、ただ高品質な熱間鍛造品を製作するだけでなく、省エネによりエネルギーやCO2排出量の削減に取り組み、離型剤や廃液を再利用することで、環境に配慮して社会貢献するための取り組みも行っています。これからも当社は、地球に優しい熱間鍛造の技術開発や生産体制の構築を目指してまいります。
KAKUTAテックフォージングでは、熱間鍛造プレスによる複合部品の一体化や、ステンレスのような難加工材への熱間鍛造プレスなど、常に国内の熱間鍛造プレス技術をリードしてきました。この技術開発力こそが、当社の技術力の源泉であり、
国内大手メーカーの皆さまから選ばれ続けている理由の1つです。
熱間鍛造でお困りの方は、まずはお気軽にお問い合わせください。国内をリードする熱間鍛造の技術開発力で、30年先を見据えた技術開発をお手伝いいたします。
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