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技術コラムColumn
2024/03/19
熱間鍛造において使用される金型は高温に熱せられた金属材料をプレスするため非常に過酷な環境下で使用されます。そのため熱間鍛造金型自体が傷んでいないかを見極めることが重要です。これができないと様々なトラブルにも繋がってしまいます。
こちらのコラムでは、熱間鍛造における金型の寿命について、寿命を超えて使用した際のトラブルや寿命を見極めるポイントなどを解説します。
熱間鍛造における金型は非常に過酷な環境下で使用されます。熱間鍛造のため金属材料が1200℃以上の温度に加熱されて数千トンの荷重でプレスされます。プレス時には一瞬で大きな圧がかかるため負荷が大きくなります。また自動搬送などがされる場合は常に稼働しているため一定以上のショット数をプレスすると金型が破損する恐れがあります。
では、熱間鍛造金型が破損をする前に、寿命を見極めるにはどうすれば良いのでしょうか。ここでは2つのポイントについて解説します。
1点目は熱間鍛造金型自体の傷み具合を確認する方法です。瞬間的に高温の金属材料に高圧のプレスが行われるため、金型の破損が想定されます。そのため金型の状態を確認することで寿命を見極めることができます。
2点目は熱間鍛造により成形された製品の品質で見極める方法です。金型が破損した状態で鍛造が行われると製品の精度や品質に問題が発生します。一方で製品に問題が無ければ金型にも問題が発生していないことになるため、製品の状態から金型の寿命を見極めることができます。
熱間鍛造金型では寿命を見極めることが重要ですが、その見極めができないと以下のようなトラブルに繋がります。
金型が損傷・摩耗しダレが発生すると製品の品質が悪化したり、形状が保持できないトラブルに繋がります。金型に問題が発生しているため製品の品質にも影響が出てしまいます。
金型寿命を超えて熱間鍛造を行うと、金型の割れが発生します。摩耗や損傷以上に大きな損害となり、今後の生産にも大きな影響を及ぼします。
金型の摩耗が大きくなると鍛造製品が大きい状態で成形されます。その状態で仕上げプレスを行うと余肉が製品自体にかぶさり、形状精度が悪い製品となりトラブルになります。
当社では以下の対策を行っています。
当社では熱間鍛造金型部品に対してイオン窒化装置で表面硬化処理を行うことで、表面硬度を上げることで寿命を延ばしています。この処理を行うことで、表面処理を行わない場合と比較して金型寿命を3倍近くに伸ばしています。そのため、金型破損などのトラブルを回避するとともに、段取り替えの工数を削減することでお客様へリードタイム通りに納品することができます。
熱間鍛造金型の寿命が近づいてきた際は、表面を研削するリシンクを行う必要があります。リシンクとは金型の形状を崩さずに金型表面を数ミリ削り、金型表面を再生することを指します。このリシンクを行うことで同じ形状での加工を実現しています。これにより生産への影響を最小限にしており、型材の再利用も可能にしています。
こちらでは熱間鍛造での製作事例をご紹介します。
こちらの製品は、ウェイト幅が狭く、深いため、金型の耐久性も悪くなってしまい、改善をご検討中でした。特に、金型が倒れやすくなってしまうため、壁の強度対策向上、または肉の配分を変える(応力の分散)、肉流れを変えて応力が集中しないように金型設計をするなどの対応が必要となっていました。
そのため、金型設計から改善のご提案をさせていただきました。耐久性の向上や、応力の分散などについてシミュレーションも交えてご提案を行いました。
こちらは、軸成形(クランクシャフトは平打ち)のため、いかに軸部の精度を出すかが重要なものでした。平らな部分の異形が非常に難しく、左右対称でないために肉の流れをコントロールする必要がありました。また、平らな部分の先端Rが欠肉が発生しがちのため改善が必要でした。
そのため、金型設計から提案を行い、精度や欠肉が発生しにくいようなご提案を行いました。結果として、精度向上や欠肉を抑制することができました。
軸物・シャフト 熱間鍛造技術センター.comを運営するKAKUTAテックフォージングは、昭和20年の創業以来、機械器具部品や農機具、自動車・オートバイ部品の熱間鍛造プレス品を製作してまいりました。業界問わず、地域・環境特性に応じた熱間鍛造プレス技術によって、数多くのメーカーと直需対応を行っており、鍛造業界から注目を集め続けています。
当社では、クランクシャフトやレールなどの熱間鍛造に関して、製品図面をもとにした金型設計段階から一貫対応しております。熱間鍛造において技術力の差が生じるのが金型ですが、当社では自動車・二輪車メーカーの方々と共通言語で会話することができる技術ノウハウで、CADや各種シミュレーションツールを用いた熱間鍛造金型の設計を行います。また金型製作についても、全工程を社内で完結させているため、お客様の生産ラインを止めない金型製作体制を構築しております。
>>金型設計・鍛造シミュレーションによる精度・生産性へのこだわり
特に他社と差別化された要素として、当社では5000トンの大型熱間鍛造プレスを含む一貫自動生産ラインを保有しており、通常は6日かかる工程をおよそ60分で完成させる圧倒的な納期対応力で、多くのお客様に向けて熱間鍛造品の生産を行っています。特に量産が必要な熱間鍛造プレス品については、熱間鍛造プレスの設備力や技術力が結集した自慢の量産ラインで生産いたします。
詳細は下記動画をご覧ください!
そして当社では、自動車メーカーのパートナーとして選ばれる品質保証を維持し、向上し続けるため、最新の非接触三次元測定機も導入し、社内でも甘えを許さない世界トップレベルの厳しい品質保証体制を構築しています。さらに、ただ高品質な熱間鍛造品を製作するだけでなく、省エネによりエネルギーやCO2排出量の削減に取り組み、離型剤や廃液を再利用することで、環境に配慮して社会貢献するための取り組みも行っています。これからも当社は、地球に優しい熱間鍛造の技術開発や生産体制の構築を目指してまいります。
KAKUTAテックフォージングでは、熱間鍛造プレスによる複合部品の一体化や、ステンレスのような難加工材への熱間鍛造プレスなど、常に国内の熱間鍛造プレス技術をリードしてきました。この技術開発力こそが、当社の技術力の源泉であり、
国内大手メーカーの皆さまから選ばれ続けている理由の1つです。
熱間鍛造でお困りの方は、まずはお気軽にお問い合わせください。国内をリードする熱間鍛造の技術開発力で、30年先を見据えた技術開発をお手伝いいたします。
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