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技術コラムColumn

2024/01/12

熱間鍛造時に発生する、肌荒れとは?

このコラムでは、熱間鍛造において発生する、肌荒れとは何か?発生の原因と対策はどのようなものがあるか、よくあるトラブルなどについて解説します。

 

 

熱間鍛造における、肌荒れとは

熱間鍛造では、鍛造前の金属の状態によって、酸化スケールが発生します。

その後に鍛造を行うことで肌荒れと呼ばれる、表面が悪化する現象が起こります。

冷間鍛造と異なり、表面の仕上がりが荒れやすい熱間鍛造では良く起こりうるトラブルの一つとされています。

熱間鍛造での肌荒れ

 

熱間鍛造での肌荒れの発生理由

鍛造前に金属を熱した後、金属は酸素に触れた瞬間に炭素化します。

その状態を酸化スケールと呼び、金属の膜がはがれている状態をさします。

この状態で鍛造を行うと表面が荒れてしまい、肌荒れの原因となります。

また、離型剤の塗布量が多いことも肌荒れの原因となります。

 

熱間鍛造での肌荒れによる、よくあるトラブル

肌荒れによるトラブルには以下のものが挙げられます。

 

表面仕上がり精度の問題

酸化スケールが発生し、肌荒れが起こっていると、表面が荒れた状態となります。そのため、鍛造後の仕上がり面が綺麗にならず、要求の仕上がり面にならない場合があります。

 

面精度の問題

同様に、酸化スケールによる肌荒れが発生すると、面精度もわるくなります。そのため、外観不良などのトラブルに繋がる可能性があります。

熱間鍛造での肌荒れ2

軸物・シャフト 熱間鍛造技術センター.comの熱間鍛造技術

当社では、長年の経験から肌荒れ対策のための以下の工程を行うことで、肌荒れを軽減させています。

 

ディスケーラー

鍛造工程の中で、金属を熱する前にディスケーラーと呼ばれる工程を行います。この工程では、スケールをはがし切った状態で鍛造を行うために、金属表面のスケールを剥がす工程です。この工程を行うことで、肌荒れが軽減できます。

 

エアーブロー

プレス内でもエアーブローを行っています。このエアーブローを行うことで取り切れていないスケールを飛ばしており、さらにとんだものが金型内に入り込まないことを目的にしています。

さらに、塗布する離型剤の量についても最適化しているため、肌荒れが発生しないように複数の対策を講じています。

 

長年の経験に基づいた対策によって、肌荒れを発生させないような対応をしております。

 

事例

ここではクランクシャフトの事例を紹介します。

V型2気筒エンジン 2Rクランクシャフト

no13

歩留まりと表面粗さについて課題のあるお客様からのご相談でした。 こちらの製品については、歩留まりの向上と肌荒れ対策のために、材料の中央を太らせる潰し工程を設けました。

材料の中央を潰して太らせることで、大きなウェイト寸法への対応と酸化スケール(鉄が高温になった際に酸素に触れると表面が酸化する、そのまま成形してしまうと肌荒れにつながる)を抑制することができます。表面粗さに影響が出る場合に採用されることが多いため、ご提案をさせていただきました。

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直列2気筒エンジン 2Rクランクシャフト

no10

こちらの製品は、2Rクランクシャフトです。左右のバランスは悪く、肉流れが悪い事が問題でした。このような製品はシミュレーションで金型やウェイトが大きく厚い部分に確認が必要です。

そのため、シミュレーション実施することから進める必要がある事を説明させて頂きました。シミュレーションを進め検討を重ねた結果、金型の改善が必要となる事がわかりましたので、当社にて改善提案を行い製作を進めさせて頂きました。

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軸物・シャフト 熱間鍛造技術センター.comを運営するKAKUTAテックフォージングは、昭和20年の創業以来、機械器具部品や農機具、自動車・オートバイ部品の熱間鍛造プレス品を製作してまいりました。業界問わず、地域・環境特性に応じた熱間鍛造プレス技術によって、数多くのメーカーと直需対応を行っており、鍛造業界から注目を集め続けています。

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当社では、クランクシャフトやレールなどの熱間鍛造に関して、製品図面をもとにした金型設計段階から一貫対応しております。熱間鍛造において技術力の差が生じるのが金型ですが、当社では自動車・二輪車メーカーの方々と共通言語で会話することができる技術ノウハウで、CADや各種シミュレーションツールを用いた熱間鍛造金型の設計を行います。また金型製作についても、全工程を社内で完結させているため、お客様の生産ラインを止めない金型製作体制を構築しております。

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特に他社と差別化された要素として、当社では5000トンの大型熱間鍛造プレスを含む一貫自動生産ラインを保有しており、通常は6日かかる工程をおよそ60分で完成させる圧倒的な納期対応力で、多くのお客様に向けて熱間鍛造品の生産を行っています。特に量産が必要な熱間鍛造プレス品については、熱間鍛造プレスの設備力や技術力が結集した自慢の量産ラインで生産いたします。

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そして当社では、自動車メーカーのパートナーとして選ばれる品質保証を維持し、向上し続けるため、最新の非接触三次元測定機も導入し、社内でも甘えを許さない世界トップレベルの厳しい品質保証体制を構築しています。さらに、ただ高品質な熱間鍛造品を製作するだけでなく、省エネによりエネルギーやCO2排出量の削減に取り組み、離型剤や廃液を再利用することで、環境に配慮して社会貢献するための取り組みも行っています。これからも当社は、地球に優しい熱間鍛造の技術開発や生産体制の構築を目指してまいります。

>>世界トップレベルの製品を製造する厳しい品質保証

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KAKUTAテックフォージングでは、熱間鍛造プレスによる複合部品の一体化や、ステンレスのような難加工材への熱間鍛造プレスなど、常に国内の熱間鍛造プレス技術をリードしてきました。この技術開発力こそが、当社の技術力の源泉であり、
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